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育児休業給付金(第1子)と出産手当金(第2子)の併給は可能

社労士・岩壁

第1子の育児休業中に第2子を出産してそのまま育児休業を継続するケースは珍しくありません。この場合、第1子の育児休業給付金と第2子の出産手当金は併給が可能です。

産休・育休中に受けられる給付金

出産手当金

出産手当金は産前6週間(多胎妊娠の場合は14週間)・産後8週間の期間に対する休業で受けられる給付金で、1日あたり標準報酬日額の3分の2となります。

休業をした場合は通常会社から給与は支給されませんので、その間の生活保障的な意味合いがあります。

育児休業給付金

産後休業が終了してそのまま育児休業に入ると、出産手当金は終了しますが育児休業給付金を受け取れるようになります。

育児休業給付金は子が1歳に達する日の前日(=誕生日の前々日)まで支給対象となりますが、保育園に入れない等の事情がある場合は1歳6カ月・2歳までの延長が認められます。

育休開始から6カ月までは休業前給与の1日あたりの67%、6カ月経過後は50%が受け取れます。

第1子の育休中に第2子を妊娠したら…

例えば次のようなケースが発生したとします。

  • 第1子出産…2020年7月1日
  • 第1子育休…2020年8月27日~2021年12月31日(1歳6カ月まで延長と仮定)
  • 第2子出産予定…2021年10月1日
  • 第2子産休予定…2021年8月21日~11月26日

これを図にすると次のような状況となります。

ここで大切なのは、産後休業は義務であるのに対し、産前休業と育児休業は任意であるという点です。よって第1子の育児休業中に第2子を出産した場合、必然的に第2子の産後休業が優先されることになるため、ここで第1子の育児休業は終了します。

産前休業と育児休業の選択

どちらも任意

では第2子の産前休業期間である2021年8月21日から2021年10月1日の取り扱いはどうなるのでしょうか?

この期間は第1子の育児休業期間でもあります。

結論から言うと、どちらとも義務ではなく本人希望による取得になるため、任意に選択して問題ありません。

ただし、給付金のことを考慮すると、この期間は第1子の育児休業を選択すべきと言えます。

育児休業を選択すると出産手当金との併給が可能

出産手当金の支給要件は健康保険法第102条に定められています。

被保険者が出産したときは、出産の日(出産の日が出産の予定日後であるときは、出産の予定日)以前四十二日(多胎妊娠の場合においては、九十八日)から出産の日後五十六日までの間において労務に服さなかった期間、出産手当金を支給する。

2 第九十九条第二項及び第三項の規定は、出産手当金の支給について準用する。

健康保険法第102条

「労務に服さなかった期間(=休業)」であることが条件となりますが、その休業が必ずしも産前休業の取得であることまでは要求されていません。

また健康保険法第108条2項で賃金との調整について定められています。

出産した場合において報酬の全部又は一部を受けることができる者に対しては、これを受けることができる期間は、出産手当金を支給しない。ただし、その受けることができる報酬の額が、出産手当金の額より少ないときは、その差額を支給する。

健康保険法第108条2項

給与をもらっている場合は出産手当は基本的に支給されません。(給与額によっては出産手当金との差額は受給可)

よって前記の重複期間が第1子の育児休業期間であったとしても「休業」「給与を受けない」という要件を満たすため、出産手当金を受給することができます。

なお社会保険料に関しては、第1子育児休業であっても第2子産前休業であっても免除されますので影響がありません。

注意
育児休業給付金は産休で休んでいる場合は支給対象外であることが明記されているため(雇用保険法施行規則第101条の22/1項3号ハ)、この期間に産前休業を選択した場合は育児休業給付金は支給されず出産手当金のみの支給となります。

まとめ

  • 第1子育児休業と第2子産前休業が重複した場合は任意に選択可能
  • 出産手当金は必ずしも産前休業である必要はない
  • 第1子育児休業を選択すると育児休業給付金と出産手当金の併給が可能

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