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社会保険料の会社負担割合と計算方法

社労士・岩壁

事業をやっていると人件費はとても重要です。給料以外にも従業員を雇用していることでかかるお金は色々あります。特に社会保険料の会社負担は人件費を考える上では必須ですから、従業員に払う給与以外にどれくらいかかるのか見ていきましょう。

保険料率

社会保険は広い意味では下記4つを指します。

  • 健康保険(&介護保険)
  • 厚生年金
  • 雇用保険
  • 労災保険

それぞれの保険料率は下記のようになっており、特に健康保険と厚生年金の料率が大半を占めていることが分かります。

  個人負担 会社負担
健康保険

4.95%
(5.815%)

4.95%
(5.815%)
厚生年金 9.15% 9.15%
雇用保険 0.30% 0.60%
労災保険 0.00% 0.30%
合計 14.40%
(15.265%)
15.29%
(16.155%)

2019年4月現在
※1 健康保険=協会けんぽ東京支部。()内は介護保険含む場合。
※2 厚生年金=会社負担に子ども・子育て拠出金0.29%含む。
※3 雇用保険=一般の事業の場合。
※4 労災保険=その他の各種事業の場合。一般拠出金は料率が微細のため省略。

介護保険なしでも会社負担は15.29%になります。

年収500万円の人を雇っていたら単純計算で764,500円の会社負担社会保険料が発生するということです。

加入する健康保険組合や行う事業内容によって料率は変わってきます。

例えば労災保険は労災事故が起こりやすい事業ほど、保険料率が高く設定されています。

MEMO
2019年度で一番高いのは金属鉱業、非金属鉱業(石灰石鉱業又はドロマイト鉱業を除く。)又は石炭鉱業(8.8%)。

保険料の計算方法

健康保険・厚生年金

給与の場合

<保険料の計算式>標準報酬月額 × 料率

標準報酬月額とは 保険料を算出するための各自のおおよその給与月額(基本給だけでなく通勤手当や残業手当なども含む)です。

例えば給与月額が29万円以上31万円未満の場合は、標準報酬月額は30万円。

料率表に当てはめると個人負担・会社負担それぞれ健康保険料14,850円、厚生年金27,450円となります。(協会けんぽ東京支部・2019年3月分からの保険料額表)

MEMO
健康保険料・厚生年金保険料は原則として固定額です。年1回の見直し(算定基礎届)や一定の例外を除いて毎月変更されるわけではなく、日割り計算もありません。

賞与の場合

<保険料の計算式>標準賞与額 × 料率

標準賞与は実際に支給した賞与額の1,000円未満を切り捨てた額です。(ただし健康保険の上限は年間573万円、厚生年金の上限は1回150万円)

給与と異なり毎回の実支給額に応じて算出されます。

雇用保険・労災保険

<保険料の計算式>給与額 × 料率

給与額には保険料の算出対象となる全ての給与が含まれます。(通勤手当や残業手当など)

健康保険・厚生年金と異なり、実支給額に料率をかけて算出されます。

まとめ

  • 健康保険と厚生年金は個人負担と会社負担が半々(健康保険組合によっては半々でない場合あり)
  • 雇用保険と労災保険は会社負担の方が多い
  • 業種等により異なるが、一般的には給与額の15~16%が会社負担社会保険料になる

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