社労士・岩壁
今の時代は女性の選択肢も多くなり、結婚しても共働きは当たり前の時代です。一方で、企業の女性管理職割合が増えない等の課題はまだまだ解決されていません。この助成金は女性活躍のための推進をすることにより受給することが可能です。
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両立支援等助成金(女性活躍加速化コース)とは
概要
自社で女性社員が活躍できるような施策をすることにより受けられる助成金で、企業1回限りの支給です。
具体的には以下の2つを定めなければなりません。
- 取組目標
- 数値目標
取組目標は女性活躍のための施策そのものです。
数値目標はその取組目標によってどのような成果を出したいのかを数字で定めます。
(例えば、管理職の女性比率〇%以上など)
加速化Aコース
数値目標前の”取組目標”を達成した時に受給できます。
加速化Nコース
加速化Aコース(取組目標)を達成し、かつ数値目標をクリアした時に受給できます。
受給要件
加速化Aコース
- 常用労働者300人以下(他の助成金と異なり業種関係なく、資本金の額で判断しません)
- 一般事業主行動計画について策定・労働者への周知・女性の活躍推進企業データベースへの公表・都道府県労働局への届出を行っている
- 行動計画に計画期間・数値目標・取組目標・実施時期を記載し、長時間労働の是正等を盛り込んでいる
- 計画に基づいた取組目標を達成している
- 雇用助成金共通要件を満たしている
加速化Nコース
加速化Aコースの要件を満たした上で
- 数値目標達成状況を女性の活躍推進企業データベースへ公表している
- (常用労働者301人以上の場合)女性管理職比率を基準値以上にしている
助成金額
いずれも()内は生産性要件をクリアした場合
加速化Aコース
常用労働者300人以下 | 常用労働者301人以下 | |
---|---|---|
受給額 | 285,000円 (360,000円) |
対象外 |
加速化Nコース
常用労働者300人以下 | 常用労働者301人以下 | |
---|---|---|
受給額 | 285,000円 (360,000円) |
対象外 |
475,000円 (600,000円) |
285,000円 (360,000円) |
(※)下段は女性管理職比率が基準値以上に上昇した場合。基準値は中小企業15%、大企業は産業分類と申請日により異なる。
目標設定にあたって
企業ごとに女性社員に対する課題は異なります。
ですから、本助成金を検討する場合、自社の女性社員が活躍する上で何が問題なのかを課題を分析しゴールを設定する必要があります。
例
例えば次のような課題とゴール設定です。
- 女性社員割合に対して女性管理職が10%と少ないので、40%まで上げたい
- 総合職について女性がいないので、一般職の希望者から3名転換したい
これらの数値目標をクリアするために、どのような施策を行うのかの取組目標を定めます。
申請の流れ
STEP.1
課題分析
自社の雇用状況等を総合的にみて、女性社員が活躍する上での課題を検討。
STEP.2
行動計画策定
分析した課題をクリアするための行動(取組目標)とゴール(数値目標)を策定。その策定した行動計画を社内周知し、外部公表も行う。(外部公表先は「 女性の活躍推進企業データベース 」)
STEP.3
労働局へ届出
策定した計画を管轄の都道府県労働局へ届出。
STEP.4
加速化Aコース申請
行動計画期間内に取組目標を達成したら、達成した日から2ヵ月以内にAコースを申請。
STEP.5
加速化Nコース申請
取組目標達成から3年以内に数値目標を達成したら、 達成した日から2ヵ月以内にNコースを申請。
(審査に時間がかかるため申請から受給まで2ヵ月~6ヵ月、場合によってはそれ以上かかるケースもあり)
まとめ
- 女性活躍のための課題分析と数値目標を設定
- 取組目標達成で加速化Aコース申請
- 数値目標達成で加速化Nコース申請