社労士・岩壁
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外国人労働者の増加
ご存知のように日本は世界に類を見ない少子高齢化社会に突入しました。
定年を延長したり年金受給年齢を繰り下げたり、国も色々と施策をして高齢者の労働環境を作ろうとしています。(現在は経過措置により一定条件をクリアしている企業は定年年齢が65歳未満でもOKになっています)
一方、外国人労働者は増加傾向にあります。
下の図によると、2008年には約48万人だった外国人労働者ですが2017年には約127万人と2.65倍に増加しています。
内閣府「外国人労働力について」
確認ポイント
在留カードの確認
外国人採用をする場合は、採用をする前に在留カードを確認しましょう。
法務省入国管理局
在留期間についてはカードの満了日を確認すればすぐに分かるため明朗です。
一方で注意を要するのは在留資格です。
日本で働く外国人は何かしらの資格を持って日本に滞在しているわけですが在留資格によっては就労制限があり、 「どんな仕事をしてもよい」というわけではありません。
在留資格
在留資格はその内容や身分に応じて細かく規定されています。
参考:出入国在留管理庁在留資格一覧
(※)一覧に記載はありませんが、2019年4月から特定技能という在留資格が新設されています。
在留資格の中で就労制限がない在留資格は次の4つしかありません。
- 永住者
- 日本人の配偶者等
- 永住者の配偶者等
- 定住者
これら以外の資格は何かしらの就労制限があるか、または就労そのものができません。
留学生の採用
アルバイト採用をしようと思うと必然的に留学生が選択肢に入ることになります。
しかし留学という資格は勉学を目的として日本に入国を許可されているわけですから、本来はアルバイトはできません。
では留学生は全く就労できないのでしょうか?
いえ、就労を可能にするためには資格外活動許可を得れば大丈夫です。
この資格外活動許可を得ることができれば原則として週28時間以内の就労が可能となります。 (この28時間には残業時間や他社で勤務する時間も含まれますのでご注意ください)
なお、自分が通う大学等と直接契約し、教育や研修補助などを行い賃金を受ける場合は資格外活動許可は不要です。
留学生を新卒で採用したい
留学生を新卒等で正社員採用したい場合は、入社までに適正な在留資格に変更する必要があります。
もし「入社までに変更が間に合わなかった、でも留学(資格外活動許可あり)としての在留期間は残っている」というケースであったとしても、就労させることはできません。
それは出入国管理及び難民認定法施行規則で規定されているからです。
一週について二十八時間以内(留学の在留資格をもつて在留する者については、在籍する教育機関が学則で定める長期休業期間にあるときは、一日について八時間以内)の収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和二十三年法律第百二十二号)第二条第一項に規定する風俗営業、同条第六項に規定する店舗型性風俗特殊営業若しくは同条第十一項に規定する特定遊興飲食店営業が営まれている営業所において行うもの又は同条第七項に規定する無店舗型性風俗特殊営業、同条第八項に規定する映像送信型性風俗特殊営業、同条第九項に規定する店舗型電話異性紹介営業若しくは同条第十項に規定する無店舗型電話異性紹介営業に従事するものを除き、留学の在留資格をもつて在留する者については教育機関に在籍している間に行うものに限る。)
出入国管理及び難民認定法施行規則第19条5項1号
留学の資格が有効なのはあくまでも在学中だけであって、たとえ期間が残っていても卒業後はダメ!ということです。
企業側では在留資格変更が入社に間に合うように申請の進捗確認や手続きサポートをしてください。
労働基準法関係
労働基準法等は外国人でも当然適用されますから、外国人であることを理由に賃金等の待遇を低くしてはいけません。
国籍による差別は企業責任を超えて一歩間違うと外交問題にもなりかねません。
雇用条件については法令や就業規則に則り、外国人かどうかを問わず適正に決定してください。
まとめ
- 在留カードの在留期間と在留資格を必ず確認
- 資格によって就労制限があるものとないものに分かれる
- 留学生をアルバイト雇用したい場合は資格外活動許可の有無を確認